2023/09/15 22:12

「だから気を付けなさいって言ったでしょ!」
2歳になる息子がまたジュースのコップを倒した。
トミカが大好きな息子のために、マックのハッピーセットを買って、おまけでもらったトミカを走らせる紙の道路マップが早速ビチョビチョだ。
息子も息子で、最近ませてきて、怒られると泣くよりもふて腐れる。
それにイライラして、また怒ってしまう。
コップは倒すから、蓋付きのストローマグにしろと言っても嫌だと言う。
夜になって、隣で寝ている愛らしい息子の寝顔を眺めながら、今日もたくさん怒ってしまったと反省。
皆こんなに怒っているのかな?
叱らない子育てなんて理想があったのに、仕事に家事にと終われる日々の生活の中では、そんなものどこかに行ってしまう。
気分転換にネットサーフィンをしていると、トミカを販売しているショップの広告が目に入ってきた。
なんだかんだいっても、息子が喜びそうなものに目が引き寄せられるのだ。
そのショップでは、トミカを買うとミニサイズの道路マップが付いてくるらしい。
さらに、ラミネートされているという。
確かに、今日濡らしてしまった道路マップは、食卓テーブルほど大きくて、ただの紙だから、遊んでいるうちにすぐ破けたりするのは目に見えていた。
日頃怒りすぎている反省も踏まえて、サプライズで購入したところ、案の定、息子は大喜びだった。
私も嬉しくなって、久しぶりに一緒にトミカで遊んだ。
盛り上がってきたその時、息子の肘がコップに当たって、道路マップの上にジュースがこぼれた。
やばい…という顔の息子と、流れる静寂。
でも私は怒らなかった。
「このマップはね、濡れても大丈夫なんだよ!すごいでしょ?」
すると息子の笑顔が戻り、
「腕がね、当たっちゃったの。ごめんなさい。」
と初めて自分から謝った。
そうか、そうだったんだ。
なんでも自分でやりたい成長期。
コップで飲みたいけど、注意力が足りないのは、仕方のないこと。
叱らない子育てって、もしかすると、
叱るような事が起こり得る要素を、未然に防いであげることもそのひとつなのかもしれない。
息子の成長も、自分の発見も嬉しくて、
より一層、愛らしく感じた息子を抱きしめると、息子も強く抱きしめてくれた。
〈ストーリーはイメージです〉
